COLUMN 03

ルイボスティーに関する
ふたつの素朴な疑問

確かな根拠のもと、ポリフェノールの専門家がお答えします。

体に良いっていわれているけど、いつ、どんな時に飲むのが効果的なの?

ルイボス特有のポリフェノールを含んでいるので、紫外線の強い夏の屋外活動時の水分補給におすすめです!

ルイボスティー飲用による
体内の抗酸化力を確認

老化や疾病の原因になる活性酸素は、紫外線や激しい運動で生成されることが知られている。夏は紫外線によるダメージが気になる季節。そこで村上教授は、夏の紫外線の下、屋外活動モデル実験を行った。午前10時から午後1時までの3時間、屋外で歩行と休憩を繰り返し、休憩時に水、ルイボスティーまたはグリーンルイボスティーを計1.5ℓ飲んでもらい、体内のDNA(遺伝子の本体)損傷レベルをDNA損傷マーカーの尿への排出速度で評価した。その結果、ルイボスティーとグリーンルイボスティーを飲んだ場合、水を飲んだ時よりDNA 損傷が約40%抑えられていた。

「体内での抗酸化力が確認されていて、カフェインを含まないルイボスティーやグリーンルイボスティーはお出掛けの時の水分補給におすすめです。」

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ルイボスティーは煮出して作らないと、ポリフェノールを抽出できないのでは?

いいえ、お湯出しや水出しも、ちゃんとポリフェノールを抽出できますよ。

お湯出しでも煮出しと
同程度の量が抽出できる

村上教授は、茶葉量・時間・温度などの条件を変えてルイボスティーを抽出し、ポリフェノール含有量と抗酸化活性の変化を調べる実験を行った。
その結果、茶葉5g/500mlを、沸騰または80℃を10分間保った場合、総ポリフェノール、アスパラチン含有量および抗酸化活性にあまり差はなかった。また、熱湯から10分間(室温25℃)お湯出しした場合、10分後の温度は約80℃だったことから、お湯出しでも煮出しと同等のポリフェノール量や、抗酸化活性を示すことがわかった(図1および2)。
さらに、12時間の水出し実験でも、ポリフェノールは抽出された(図2)。自宅でも、ティーバッグをカップに入れてルイボスティーを作る際は、5分間お湯出しすることで、250µg/ml以上のポリフェノールを抽出できる。

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ルイボスティーは、淹れたらできるだけ早めにお召し上がりください。また、お湯出ししたルイボスティーを冷蔵保存する場合は、氷水などで急冷してから保存しましょう。

教えてくれるのは
こちらの先生

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村上 香 先生
( 九州看護福祉大学 教授 )

博士(農学)。九州大学大学院農学研究科修士課程修了後、福岡女子大学栄養健康科学科助手、広島工業大学食品生命科学科准教授を経て、2022年より九州看護福祉大学看護福祉学部教授に就任。

行ったのはこんな実験

(3種類の飲用試料)

DNA損傷マーカーの尿中排泄速度

(野外活動時)

引用文献:Walking Research (2015) No.19

行ったのはこんな実験

【図1】温度とポリフェノール

80℃を保った熱湯で、茶葉5g/500mlを10分間お湯出しした総ポリフェノール量は、煮出した(約96℃:沸騰状態)時と比較し、ほとんど差はなかった。

【図2】時間とポリフェノール

レッドルイボスを12時間水出ししたところ、お湯出し5分間と同程等のポリフェノールが含まれていた。また、グリーンルイボスはお湯出し10~15分間と同程度だった。

引用文献:日本食品科学工学会誌(2021)vol. 68 No.2


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